恋文横丁
今月の泉麻人さんの「ロケ地探偵」は女優、田中絹代の監督作品「恋文」だった。日本で二番目の女性監督の第一回作品でもある。しっかりした作品でおもしろかったなー。映画に記録された物事、そしてこの連載は毎回僕にいろいろなことを教えてくれる。(画像はクリックするときれいになります。)「恋文横丁」という狭い路地の一帯が出てくる。渋谷の109あたりの区画は昔はこんな風だったのかと、感慨深く知ることが出来る。「パンパン」などと呼ばれた米兵相手に交際する日本女性のために、ラブレターを代筆する店が、このあたりに軒を並べていたので、そういう名前で呼ばれるようになった。宇野重吉が女たちから「先生、先生」と慕われて、ときには人生相談にものってあげる代筆屋をしている。その店で森雅之が、昔、愛を誓ったはずの久我美子と再開する。この店に来るお客ってことは、久我美子もパンパンガールなの!?ずっと逢いたかった久我美子につい逢えたというのに…。森雅之が追いかけていって京王井の頭線のホームでふたりはついに面とむかう。そんなシーンを描きました。