伊野孝行のブログ

りょうまいんぶーつ

ブーム。それに乗らない手はない。しかし、みうらじゅんの「ゆるキャラ」をとってみても最初の発端と、それがブームになって末端にまでひろがった終着点では、本質がかなり変わってしまっている。ブームというのはそういうものであり、坂本龍馬を煎餅や饅頭にして何が意味があるのかわからないが、ともかくそれがブームだ。その坂本龍馬ブームが私のところにもやって来た。しかもこれは煎餅や饅頭ではない。ちゃんとした立派な小説である。坂本龍馬のブーツをはいた2枚の写真。一枚はブーツが綺麗で、もう一枚はブーツが汚れているとか。そこに着目した作者の梶よう子さんが想像力を駆使してお書きになった読み切り短編小説である。掲載は「小説現代」でございます。