伊野孝行のブログ

個展「画家の肖像」その2

先週から引続き、個展の宣伝をば。全部で6種あるDMから今週も2種づつ、もったいぶってアップします。絵を描く人なら誰でも知っている有名画家だけど、そうでない方には「誰なの?」と言われるかも知れない。木村荘八とデビッド・ホックニーです。(画像はクリックすると鮮明に,大きくなるでしょう)

木村荘八といえば、一番有名なのは永井荷風の「濹東綺譚」の挿絵かな?と思いまして、その挿絵をもじってこの絵は描きました。木村荘八の後から店を出て来るのが永井荷風ですよ。木村荘八は今回3枚描きました。実家の「いろは牛鍋店」のお店の玄関を描いたすばらしい油絵がありますよね、あれをもじったのと、猫好き荘八が猫に囲まれている写真をもとにしたのと。どうぞみなさん見に来て下さいね,まじで。

肖像画の名手でもあるホックニーはこう語っています。『僕はキタイに開眼させられた。何を描いていいか悩んでいた時期に、僕は彼に、自分の興味、たとえば、菜食主義や政治のことを打ち明けたんだ。すると彼は言ったんだ。「どうしてそれをテーマに絵を描かないんだい?」僕自身の自意識にのぼるまでに、ずいぶんと時間がかかってしまったが、肖像画や人物画は無限に興味深いものだ。誰もが表情に感心がある。他人のことを語ることは、人間にとって非常に深遠なことだ。僕は肖像画の復活を確信している。』そういうこと、そういうこと。僕が今回やりたいのもこういうことです。

DMを見て「あれ、伊野君画家宣言?」なんて冗談で友達に言われましたが、たとえばこの木村荘八とホックニー、両者の画風にあわせてタッチをかえて描いて…こんなイラストレーションらしい展示は他にない。と言いたい。「いわゆる画家」ならこんな展示は絶対にしないと思うので、そういう逆の意味でもイラストレーターの芸をお見せする展覧会にしたいと思ってまーす。