世界満腹食べ歩き8~13
小説現代で連載中の岡崎大五さん『世界満腹食べ歩き』に、毎月絵をつけています。ずっと前に第7回までアップしてありました。間が空きましたが、今週はその続きです。
第8回は「シルクロードを行く前編」
〈妻に写真を撮ってもらおうと立つと、ウズベク人の観光客たちが集まってきた。「俺たちも入れてくれよ」イスラムの国では写真を嫌がる人が多いのに、ウズベクでは女性でも積極的に写りたがるのだ〉
という場面を絵にしてみました。
後編は扉絵をコマ割りにして、ワイロを渡すハメになる珍道中をコミカルに。
〈四十二時間後、ようやく接岸。これでアゼルバイジャン入国かと思いきや、髭面の太ったイミグレの所長ときたら、入国スタンプを紐に通して首からぶら下げて、賄賂が嫌ならスタンプ押してやんないからね、と一人五十ドル請求してきた〉
第10回は「アムステルダム・プチステイ」
オランダにはコロッケの自動販売機があるんだって。
コロッケはベシャメルソースで作るのが伝統的。正式にはクロケット。日本ではクリームコロッケ。
〈日本には明治初期に入ったが、当時日本は乳製品が乏しく、ソースが作れない。そこでポテトコロッケという、日本独自のコロッケが誕生したとか〉
へぇ〜知らんかった。
地図って、元になる資料があるから、カンタンだと思うかしれませんが、略図にするってことがめ〜っちゃタイヘンなんですよ。だって、どこを省略していいかわかんないし。特に都市の市街地なんて、道や鉄道がごちゃごちゃ走ってて、おまけにオランダは運河もあるんだもん。私は地図が苦手なんで、デザイナー、編集者の力を借りてなんとか……。
しかし、掲載サイズが小さいので、毎回達成感が感じられないよ〜。でもいくらサイズが小さかろうが、地図は間違ってはいけない。すべてのイラスト仕事の中で私が一番苦手なのは地図だ!
はい、お次は第11回「インドかぶれ」
4コマ漫画でインドで出会ったカレーの達人を紹介。いろいろやってます。
この回に登場するのは南インド料理なのですが、岡崎さんに、この店の味が本場のものに近い、と教えてもらったのが練馬の「ケララバワン」というお店。最近、東京では南インド料理のお店も増えてきたが、ここが草分け的存在のようです。美味しかった。
今回の地図はカンタンで助かった。
料理を描くのはそんなにタイヘンではないけど、描いてて気づいたのは、料理ってほとんど茶色系が多いですよね。でも食材は色とりどり。調理しちゃうと色が似てくるんですね。鮨が色とりどりなのは食材をそのままご飯に乗っけているからだな〜。第13回は「みそ汁だけ注文すればいい」
〈メニュー表を見て悩んでいると、年配のおやじさんが、いきなり新聞の上から顔を出し、日本語で話した。「みそ汁だけ注文すればいい」〉
韓国に旅行に行った人はわかると思いますけど、おかずがいっぱい付いてくるんですよね。
「講釈師、見てきたような嘘をつき」じゃないけど、毎回、岡崎さんから借りた資料(写真とスケッチ。岡崎さんの奥様は画家なのだ。奥様が同行した旅は記録のスケッチがある。これを見るのが楽しみ)と画像検索で、なんとかその国らしさと文章の場面を演出しております。
毎回地図を描き、資料を眺めていると、けっこう思い入れが生まれてくるので、いつか行ってみたいと思うようになります。でも、私はとにかく尻が重いので、そんな旅行はいつになるのでしょうか。
※ブログを見直していたら「世界満腹食べ歩き」、前回は第8回「シルクロードを行く前編」までアップしていたようだ。ダブってしまった。なんかそんなような気もしていたが。でもこのままでいいや。