雲の上
「芸術新潮」で連載中の藤田一人さんの「わたし一人の美術時評」2月号は『戦後日本の鏡としての平山郁夫』でした。「司馬遼太郎の歴史小説は戦後の復興・高度経済成長と共鳴する歴史感を持つと評されるが、もし彼がリアルタイムの戦後を書いたなら、平山郁夫が主要人物として登場しても不思議ではなかっただろう。平山郁夫のキャリアと価値観は、司馬文学の前向きな発展志向とよくマッチする。」とコラムにありましたので、そのものズバリ司馬さんと平山さんに登場願いました。
「前を見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう」というドラマ「坂の上の雲」のナレーションに今は亡き平山郁夫の姿がだぶって見えたと、藤田さんは書いておられます。なので、モロ即物的に雲の上に上がってもらいました。先に司馬遼太郎がいます。経済的な豊かさばかりを求めて突き進んだ果ての今の日本をどう見てるのでしょうか?