伊野孝行のブログ

静物画

自分はのんきな野郎で、このブログもそれを反映していましたが、さすがにのんきではいられず、何を書いていいのかわからなかったので先週は更新しませんでした。ちょうど仕事もヒマで(いつもですけど)家で何をしていたかというと、「ゴミ箱」を写生していました。去年の暮れに長谷川潾二郎を観に行ったのもあるし、高橋由一ってそういえば変なものばっかり描いてるよな〜、と「静物画」が気になっていたのでした。この「静物画」は仕事でもないし、個展のためでもないので、完全に自由にやっていいのです。でもなかなかその自由のためにかえってどう描いていいのかわからなくなります。

もともと「静物画」は「nature morte 」で死んだ自然とかいう意味があり、骸骨や時計や切り花などを描いて「無常」を表したりもしてました。そういう意味は込めずとも、絵画的にどう表現するかといった目的など、なにかしら動機みたいなものが決まらないと、どう描いていいのかも決まらないので困っておりました。

が、この非常事態の時、ショックとふわふわした気持ちを紛らわすために、ゆっくり写実的に描けば時間もつぶせるし、ふだんそんな描き方しないのでちょうどいいと思い、そうすることにしました。最初は紙をクチャクチャにしたものを単品で描こうと思っていたのですが、木内達朗さんのツイートでそれをすでに描いているアーチストがいるのを偶然知り(しかもめちゃうまい、ちきしょー)すこし方向転換してゴミ箱を写生することにしました。

けっこう集中できました。昔は絵を描くことってこういう作業だと思ってました。写実的に描いたのなんて久しぶりなので作品の出来がいまいち自分で判断できません。なのでまだ見せませーん。