伊野孝行のブログ

映画監督の肖像

今号のリトルモアの季刊誌「真夜中」は、特集が「映画が生まれるとき」。私は映画監督の似顔絵を描いた。ここでとりあげられた監督は、映画は見たことがあるが、顔までは知らなかったりした人もあった。カサベテスとか勝手に不細工な顔を想像してたけど、とても男前。アルモドバルはこんなオモロい顔してたのね。ヒッチコックのように顔のイメージが染み込んでいる人の方が描きにくかった。あと、やっぱり写真より映像の方が資料として断然いい。似顔絵の下に書いたのは監督の言葉です。

「幼年時代の感覚が消えてしまうのを私は恐れているのです」タルコフスキー

「自分が育った家の女たちから、おりにふれてそうした能力を見せつけられた。女たちは男たちよりも、もっと頻繁に、そして上手に芝居をした。そして嘘によって、生活の中で起きる悲劇的な結末を何度も回避したのだ。」アルモドバル

「顔が左右対称になっている役者は好きじゃない。」カウリスマキ

「自分の中の求めていたイメージと寸分たがわぬイメージを生みだすことこそ、映画作家の夢だ。そこに、どんな妥協があってもならない。イメージの創造に厳密さを欠いているために、いいかげんな映画ができてしまう。映像(イメージ)は映るものではなく、つくるものだ。」ヒッチコック

「まだこんな野蛮な音楽を?」…これはゴダールの映画の中のセリフかな?

「私は映画そのものより、それを一緒に撮っている人間のほうに興味がある。」カサベテス