伊野孝行のブログ

大震災以降の美術展は…

大震災から3ヶ月が過ぎた。芸術新潮、今月の「わたし一人の美術時評」は「大震災以降の美術展は…」というタイトル。外国から名品を貸し出してもらう海外展のあいつぐ中止など、美術展への影響も大きい。完全にこれは風評被害だけど、それだけ海外依存度が高いんですね。新聞社やテレビ局や百貨店が主催したりする場合、その企業の業績の落ち込みにも影響される。海外の名品を見れたのも、日本がお金持ちだったからで、これからは中国を中心に作品が集まるかもしれない。中国のお流れを頂戴するみたいに。

しかしこの状況は、美術展を見直すいい機会でもある。「各館とも鳴り物入りの企画が減ることで、大観衆は動員できなくとも、本来の公共的文化活動、芸術普及が促進されるのではないか。また、各メディアも次から次へと情報を流し、花火を打ち上げるのではなく、じっくりとした評論や価値の再検証が可能になるかもしれない。」と藤田一人さんは書いておられます。毎回ためになる美術時評。芸術新潮を買って読もう!

さて、これにどうやって絵をつけるか。今回も苦労しました。国立西洋美術館でもうじき開かれる「大英博物館 古代ギリシャ展」は名作「円盤投げ」が初公開という目玉。上海で立ち上がり、香港、スペイン、韓国を経て日本に巡回してきた、と文中にあったので、なんとかコイツを使って描けないものかと…。で、結果はこうなりましたとさ。