伊野孝行のブログ

笑い三年、泣き三月。

木内昇さんの直木賞受賞後第一作「笑い三年、泣き三月。」のカバー、扉の絵を描きました。旅芸人、復員兵、戦災孤児の3人が中心となる登場人物で、安劇場にひろわれて、踊り子のぼろアパートで共同生活をはじめます。戦後復興期、無秩序で混沌とした時代にこそ、ギラリッと光る人間の逞しさ、やさしさが「エロに燃えて笑いに悩む」登場人物たちを通しておかしみと哀しみになって読む者を楽しませてくれます。

カバーを全部広げるとこんな感じです。画像をクリックすると大きくなるので、お試し下さい。装丁は大久保明子さん。色はお任せしました。見返しや別丁扉の色の関係もとても美しいです。手にもっても心地よい紙触りです。

こちらは2種あったラフ案のもうひとつの方。「本の話」という文芸春秋のPR誌で使われました。コレもクリックすると大きくなります。
中の各章扉も描きました。第1章「浅草の灯」第2章「芸道一代男」第3章「真実一路」第4章「人生とんぼ返り」第5章「命ある限り」第6章「その前夜」第7章「決戦の大空へ」最終章「また逢う日まで」

木内昇さん「笑い三年、泣き三月。」を語る。文芸春秋のサイトより。戦後を生き抜いた愛すべきはずれ者たちの悲喜劇