お正月の和の行事
今さら(今日は一月十日)ですが、あけましておめでとうございます。
それは「年神様(としがみさま)」を家にお迎えするための目印なんですね。
……知ってましたか?私はいい年こいて知りませんでした。しめ縄やしめ飾りも、けがれや悪いものが入ってこないように区切るもので、年神様のための清らかな場所を作るためのものであります。
私の子ども時代は、玄関はもちろんのこと、便所や風呂場やすべての部屋にもしめ縄(そこに飾るしめ縄はとんぼと呼んでいた)を飾りましたし、さらには車にも自転車にも飾ったものです。
今年実家に帰った時はしめ縄は何一つ飾ってなかった気がします。
そんなわけで、日本人は行事をおろそかにしだしたところなのですが、春夏秋冬の和の行事のことが楽しくわかる『知っておきたい和の行事』監修/新谷尚紀(成美堂出版)が発売されております。お子様向けの本です。正月早々、商いの話ですんまへん。
一年を通した和の行事の絵を70点くらい(カット、一枚絵、マンガも含む)描いてタイヘンだったわけですが、一つ気づいたこがありました。和の行事は春夏秋冬均一には散らばっておりません。やはり年末年始の新しい年を迎える時期に行事が多いです。現在はバレンタインデー、母の日父の日、防災の日、ハロウィン……などなど色々あってそれなりに行事が散らばっている気がしますけどね。その分、相対的にお正月の地位が下がっております。
今の我々はクリスマスが過ぎるまでは誰も来たるべきお正月に目を向けていません。さらに、クリスマスが終わってお正月が目の前に迫ってきても「ぜんぜん年の瀬って気がしないよねー」と、忘年会の酒席で言いかわすのが習わしとなってきており、事実、そんな気分ではないのです。
それもそのはず、日本の年の瀬を感じたいなら以下のことをしなくてはなりません……
十二月十三日には「すすはらい」をして一年の汚れを落とします。それでもって門松に使う松を山へ取りに行く「松むかえ」をするのです。そうそう「歳の市」で正月用品を揃えなければいけません。二十二日頃には「ゆず湯」に入り、こんにゃく、れんこん、なんきん、にんじん、みかん、などの「ん」のつくもの食べて栄養をつけておきましょう。そして二十五日〜二十八日の間には「もちつき」をします。正月飾りは二十九日に飾ってはいけません。なぜなら「苦(九)がつく日」だからです。かといって三十一日は「一夜飾り」と言って縁起が悪いので、三十日までに済ませましょう……。
雑然と散らかった部屋の障子は破れたまんま。しかも障子紙は七年くらい張り替えていません。畳の擦り切れた部分を歩くと、靴下の裏にい草の切れ端がくっつきます。仕方がないので、擦り切れた畳の部分には幅の広いセロハンテープを何列にも貼って事なきを得ています。賃貸でも、もう長い間住んでいるから、大家さんも畳くらい替えてくれるかもしれませんが、そのために部屋の家具や荷物を全部移動させる事は正直難しいです。
「どうせ仮の住まい、とりあえずこのままでいいや……」そう思って何年も過ぎています。たぶん家を購入するお金も予定もないので、一生仮の住まいだと思います。それでも私は今、まだ人生の途中で、将来はもう少しましな正月が迎えられるような気がしているのですが、ひょっとしてこんな感じで一生を終えるのではないだろうかという予感もしています。
それではみなさま、本年もよろしくお願い申し上げます。