不況に漂う美術市場
ベン・シャーンの特集の「芸術新潮」今月の藤田一人さん「わたし一人の美術時評」は美術市場の不況について。意外にな事に百貨店業界では美術や宝飾品が2011年、6月から9月にかけて4ヶ月連続売り上げがプラスだそうだ。不況下の美術品売買は活発になる、とは従来から言われていたことらしい。事実欧米のオークションではウォーホルの作品が10億円を越える値段で落差された。しかしそんな話題がさっぱりないのが日本の美術市場。
「美術品の価格が、ものとしての実質ではなく、一種の社会的信用度であるがゆえに、美術商は組合組織を作り、作品の流通と価格の安定を図って来た。」そういう市場システムが今は崩壊した。我がイラストレーター業界にはそういう市場システムはないが、やはり同じ絵を描いている者としてなかなかに興味深いお話が載っている。是非、芸術新潮を買って読もう!…というわけで私が描いたのはコレです。若手画家が絵を描く前に売値と原価を考えて電卓をはじいております。時給に計算しなおすと、こんなことならバイトした方がいいよ!っと思うことは多々あるでしょうが、「お金は後からついて来る」と思いなおして、損得勘定を捨てて臨まなければ道は開けません。自己投資して油田を掘り当てましょう。自分が自分のパトロンだと思えばいいのです。…と私も自分に言い聞かせております。その他のアイデアはこんなのでした。コラムにもでてきたウォーホル。ラフなので似顔絵にてませんが。2ドル札をシルクで刷った、あのアンディは今や美術市場では決して評価の下がらない安定した価値です。絵の価値なんてたしかになんだかわからんもんですね。ちなみに1月号の「美術手帖」は世界のアートマーケット特集でなかなかおもしろかったです。