ポロック特集!
発売ホヤホヤの「芸術新潮」3月号ジャクソン・ポロック特集で仕事しました。是非本屋で見て下さい。そして買ってくれると新潮社ともども喜びます。
44歳で自動車事故で亡くなったポロックも生きていれば今年で百歳。ポロック…もちろん知っていますが、「一発屋」くらいに思っている人はいませんか?…ハイ、それは私です。一発屋は少々言い過ぎだけど。しかし、ポロックは近代美術と現代美術の分水嶺であり、絵画革命を成し遂げた偉大な大画家のようです。165億円とか200億円とかの値段がつくのも歴史的価値があるからでしょう。(話はそれるけど、うんびゃく億円と聞くと、その絵より現金を展示した方が観客はビックリする、と毎回思ってしまう)話は戻って、アメリカでは悲劇の3大ヒーローとしてジェームス・ディーンとチャーリー・パーカーと並んで山に彫られているのです!…というのはもちろん嘘ですが、そういう扱いを受けているようです。ちなみにジェームス・ディーンは24歳、チャーリー・パーカーは34歳、ポロックは44歳で亡くなってます。それも1955〜56年にかけて。
さて、ポロックはアクションペインティングなのか、そうでないのか。…と本人が言ったかどうかはわかりませんが、さてどっちでしょう?答えは「芸術新潮」で見てね。ポロックは伝説のガンマン、バッファロー・ビルの町で生まれました。果てなき荒野の地平線を見て育ったことが後の絵画に影響を与えているとかいないとか。ネイティブアメリカンのアートは一時期引用していた時代もあります。ポロックさんもいろいろ試行錯誤しているところが見れておもしろいです。試行錯誤しながらも、ピカソという大きな壁が越えられず、飲まなきゃやってられない?ポロックはアル中でした。この時代の画家にとってピカソというのは本当に大きな壁だったようです。しかし、誰も越えられなかった近代美術のその壁を、ついにポロックは越えることが出来たのです!パチ、パチ、パチ!ポロックは5つの革命でそれを成し遂げました。5つの革命とはなんでしょう?ハイ、それは「芸術新潮」を買って読んでね♡革命後そこに現れたのは「新しい絵画空間」でした。弁当箱にたとえるならダリは従来の弁当箱にヘンなおかずをつめました。ポロックは弁当箱自体を変えてしまったのであります。ここで技法説明。左、ポタッと落とすのが「ドリッピング」。右、とろーり垂らすのが「ポーリング」です。プーチン大統領じゃないですよ。ポロックの特集ですからね。
新しい絵画を手に入れたポロックはよりいっそう画業に精を出しました。しかしやがて行き詰まったのか、やめていた酒にも手を出すようになり、しまいに絵が描けない病になってしまいます。…やはりあの5大革命というのは、言い換えれば絵画のおいしい部分を全部捨てる革命でもあったな…と私などは思ってしまうのです。でも、それに引き換えに打倒ピカソを果たし、美術史のページをめくることも出来たわけですが。そのことは良かったとしましょう。ポロックが開拓した「現代美術」というのは、楽しんで絵を描くことに重きを置いていない、描く側の人間にとっては少しやっかいな美術です。誌面ではポロック以降の現代美術の相関図というのも描きました。はい「芸術新潮」を買って国立近代美術館にポロック展を見に行きましょう!