松井冬子現象に見る
「芸術新潮」4月号の「藤田一人、わたし一人の美術時評」は題して「松井冬子現象に見る日本画のマニエリスム」でした。マニエリスムとはルネサンスの衰退とされつつも、美意識を広域にいきわたらせた様式のことです。去年の紅白歌合戦の審査員もつとめ、雑誌のグラビアもかざる超美人日本画家、松井冬子さんのとりあげられ方や、最近の若い世代が描く「日本画」に共通してみられる技巧的特徴、軸装などの飾りかたに、「日本画とは何か?」という永遠の問いにたいする葛藤が薄まっているではないだろうか?ということです。くわしくは大友克洋さんが表紙の「芸術新潮」を買おう!私はコラムにこういう絵を描きました。
そもそも〜っ、「日本画」ちゅうものは明治政府が西洋画の移入にたいしてこしらえた枠組みで、日本の近代化の産物であり、そこから独自の発展をとげてしまったジャンルです。もともと「日本画」にはっきりした定義はないのです。そしてせまい見方をすると、ヘンなことに横山大観は日本画家だけど雪舟や狩野永徳は日本画家ではないということになってしまう。田原さんにいわせたセリフはかねがね私が疑問におもっていたことでありますが、その理由というか、原因はそんなところにあるわけですね。他のアイデアはこんなの描きました。最後のエラそうな人は岡倉天心です。はい、おしまい。さて来月の5/8〜13はタンバリンギャラリーで「画家の肖像2」を開催!同時に作品集「画家の肖像」もハモニカブックスより発売!というわけでただいま精力的に仕込み中というわけで、またその話はおいおい。
ここでニュースです!エログロナンセンスなふたり展「鍵」(原作 谷崎潤一郎)をやったときの相棒、丹下京子さんが講談社出版文化さしえ賞を受賞されました!バンザイ、バンザイ!丹下京子氏さしえ賞受賞