伊野孝行のブログ

新刊洪水に漂う難破船

「週刊金曜日」で月イチ連載の元週刊現代編集長、元木昌彦さんの「ギャンブル親父の業界地獄耳」最近は出版不況についてでした。元木さんが各業界のトップに直接取材して書かれる記事は、この業界で生きる自分にとっても他人事ではありません。「今の出版界の末期的症状から脱するにためには、再販委託制の改革が必要なことはいうまでもない。それなのにいまだに版元、取次、書店、三者が腹をわって話し合う「場」がないことに呆れ果てる。」と憤慨しておられます。本が売れないのに年間8万点といわれる新刊が出ています。新刊洪水の中、三者の意見はまとまらないの図。新刊を出し続けることで版元は生き残れるカラクリがあるわけだが、これは自転車操業の悪循環でしかない。しかし、そのおかげでなんとか食いつないでいる人々もいる。イラストレーターも…。ほんとうにやりたい人だけが本や雑誌をつくるような状況になってほしい。そうなる前に社員はリストラ、フリーランスは廃業の憂き目にあうかもしれないけど。ずぶずぶ沈むのを待つしかないのであろうか…?山本夏彦翁!