社長失格
光文社文庫の江上剛「社長失格」の表紙です。デザイナーの岡本健+さんから伝え聞く、担当編集者の要望はこうであった。「明るく、ポップに。だけど経済小説の重鎮である江上剛さんの重厚さも出したい…。」と。明るく、ポップと来れば軽薄であり、この要求のなかには矛盾がある。しかし、ここがプロの腕の見せ所である。人間は矛盾してるからこそ、小説も生まれるわけである。絵も矛盾を抱えた方が味わいが増すだろう。岡本さんのディレクションにも助けられて、なんとか答えられたと思う。最近気に入ってる版画でやってみた。