経済学者の肖像
講談社より発売された佐々木実さんの『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』のカバーイラストレーションを描きました。経済学者、竹中平蔵氏の評伝であります。氏はいったいどこからあらわれたのか?「経済学者、国会議員、企業経営者の顔を使い分け、”外圧”を利用して郵政民営化など「改革」路線を推し進めた竹中平蔵がつぎに狙うものは!? 8年におよぶ丹念な取材があぶり出す渾身の社会派ノンフィクション」とは帯の言葉ですが、私も読んでみて「この人は日本をどこに導こうとしているのだろうか…」とすこし怖くなりました。ブックデザインは日下潤一さん。日下さんとはかれこれ10年くらいのおつきあいになり、最近はいっしょに旅行に行ったりもする仲ですが、なんと本の装画の仕事は実は今回がはじめて(!)でありまして、世の中そんなに甘くないわけです。しかも10年目にして実った絵がシルエット!!という…。当初、竹中平蔵氏の顔をわたくし得意の悪意を全面に出して描く予定だったのですが、もう少し幅広く売りたいという会社の意向もありシルエットとなりました。竹中平蔵のシルエット。いやー、シルエットなんて簡単簡単なんて思ってたけど、竹中平蔵は正面からシルエットで見るとただのまるっこい人になってしまい誰かわからない。いろんな写真や動画をストップモーションして合成してつくったんですが、なんとか竹中さんらしく見えますかね?ブッシュ大統領と小泉首相のなかよしシルエット。小泉さんは髪型に特長あるから竹中さんにくらべれば簡単でしたが、それでもちょうどいい写真がなくて合成したり変形したりしています。