クーリエジャポン
講談社「クーリエジャポン」の最新号でいつものごとくな絵を描いています。でも、今回はいつもとはひとあじ違う。私は「ちょっとレトロな雰囲気で」とか「和っぽい感じで」というリクエストを受けることが多いのだが、「クーリエジャポン」は世界中の記事が載っていて、誌面の雰囲気も外国雑誌を意識しているところがある。なので、それっぽく描くのが今回のポイントだった。他人に「あなたって、意外に◯◯なところがあるのよね」とイメージと違うことを指摘されるのってうれしくないですか?私はそれがすごくうれしいし、おもしろい。
特集内容はあこがれの外資系に勤める日本人に聞いた「外資系勤めのここが大変なんです」。くわしく知りたい方は雑誌を読んでもらうことにして、サラッとイラストレーションの紹介だけ。「パパ、次はジュエリーを見にいきましょう!」高給取りの外資系社員であるが、家族が贅沢になれてしまって、生活レベルを落とせずに苦労している人もいる。「西海岸とのメール合戦で、体内時差が狂っちゃうよ…」時間をとわず飛んでくるメールには即レスが当たり前。リプライが遅いと信頼されない社会だそうです。「お前のせいで、10億吹っ飛んだぞ!」絵は決しておおげさではなく、証言にもとづいている。興奮した上司がモニターをたたき割るなんて日常茶飯事!「ああ、日本人の悪口言ってんだろうなぁ…」本社にとって日本はあくまで市場のひとつ「植民地」にすぎない。
「憧れのマネージャーがこんなところで…」一見華やかにみえる業界だが、年をとって生き残るのは難しい。年俸が高い部長クラスほど首のあたりが涼しくなるのだとか。「いい肉を食わせてるから、餌代が大変でね」本社の幹部が日本にやってくると、トラブル発生は必死!?実際、南アフリカ在住の幹部はライオン飼ってるし…。関係ないけど外人の顔っていつもうまく描けない。でも今回はアル・ハーシュフェルドのカリカチュアをお手本にしたのでいつもよりは雰囲気出たかな。
というわけで今回いろいろな証言をされた方(これは実在の人)を似顔絵(これはあくまでイメージです)で紹介。左上から時計回りにITに勤める林五郎さん、金融にお勤めの山田金人さん、アパレルの日本支社長の美登類さん、コンサルティングの真木是重さん。それぞれのみなさんが他にもいろいろクーリエジャポンでしか聞けない裏話をしているので、外資の仕事に興味があるひとは今すぐ本屋に買いに行こう!