伊野孝行のブログ

午年地口行灯暦

福音館書店の「たくさんのふしぎ」2014年1月号(第346号)の付録として「午年地口行灯暦」を描きました。「うまどしじぐちあんどんごよみ」と読みます。地口とはダジャレの一種ですが、ためしにwikiで「地口」をひくと、そこには「地口行灯」の写真がでています。地口を絵とともに行灯に書き、それを飾ってたのしむ風習が江戸中期ころより流行しました。今も行われています。「地口」とは?

たんなる、「馬年だじゃれカレンダー」ではなく、子供たちに文化を伝えたい、というところが絵本界のNHKとも呼ばれる(?)福音館書店の仕事でございます。地口は私と編集者の北森さんとで考えました。まず1月から見ていきましょう。1月は「笑う門には馬きたる」馬がきて午年のスタートです。2月は「馬にウグイス」です。梅に鶯というと花札と「梅に鶯、松に鶴、牡丹に唐獅子、朝吉親分言うたら清次兄さんがつきもんや!」でおなじみ「悪名」を思いだします。3月は「ロデオとジュリエット」4月は「花よりうまかった」これは「花より団子」→「花より馬子」→「花より馬方」の変形です。5月は「すべての道は老馬に通ず」すべての道はローマに通じ、すべての生き物は老いる。「馬も歩けば豹に当たる」思わぬ災難は犬だけでなく馬もある。どしゃぶりの雨は季節が6月だから。7月は「第一のホース!」今でも水泳の大会では「第一のコース!」ってアナウンスで紹介してるんでしょうか?8月は「草木も眠る馬三ツ時」ちなみに正午と呼ぶように、午(うま)の刻は昼の12時を中心とする約2時間なので幽霊の出る時間じゃないですけどね。9月は「シマウマイ弁当」わかります?シュウマイですね。自分で作った地口ではこれが一番気に入ってるんですけど。10月「勝ち馬のオーボエ」負け犬が横で遠吠えしてます。11月は「馬手投げ」どこかで相撲ネタを入れたかったのですが11月場所があるから、むりやり。12月は「紅白馬合戦」はい、そういうわけでございまして、このカレンダーが欲しいかたは「たくさんのふしぎ」を買うともれなくついてきます。本体のほうは斉藤槙さんの「虹色いきもの図鑑」という美しい絵本になってます。絵本とカレンダーがセットで700円!安い!買うしかない!福音館書店「たくさんのふしぎ」

【展示情報】下記の展覧会に参加します。

◎12/6〜11 HBギャラリーの『富嶽十六景 Part2  – 16名のイラストレーターが描く富士山 -』に富士の絵を。

◎12/7〜16 書肆サイコロの『生誕110年没後50年山之口貘全集刊行記念「貘展」』に貘さんの肖像画を。

◎12/10〜22 タンバリンギャラリーの『FANTASTIC DAYS 2013』に絵付きタンバリンを。