伊野孝行のブログ

白黒単発仕事

「そういえば伊野さん、相撲好きでしょ?ダンボールの絵柄をちょっと変えたいんで、描きません?でもいつもの脱力系の絵ではあきませんよ」「あと、誰か特定の横綱に似ないようにしてくださいね」相撲の絵を描かせてあげるから言うこと聞いてね、というわけだが、もちろん喜んで描いた。両国国技館で買い物をして佐川急便で送ると、このダンボールで送られるらしい。定規を使えば、いつものヘナヘナした線にはならないのでごんす。

お次ぎはダンチューのお肉の特集だったかで描いたくじらの絵。

水墨画のように描いてほしい、ということだったのでなんとなくの雰囲気で描いたが、そもそも「水墨画」というのは身近なようで実はよく知らない。本を読めば、中国絵画としての水墨画、日本で発達した水墨画など、あるていどの知識は得られるが、中学、高校などで実際に描く機会がまったくない。石膏デッサンばかりやらせないで、水墨画も描かせてくれたらいいのに。今は日本美術に多くの人が興味を持っている時代なのに、それに自分たちの先祖が描いてきた技法なのに、なぜ伝えない?筆は幼いころから使わなくては技術に限界もある。大人になってからでは遅いのだ。大人になってからではこんな絵(↓)しか描けないのだ!あぁ、情けなや!最後は福音館書店の「母の友」の〈だっこ特集〉のときに描いた絵です。もっとだっこしてあげたほうがいいよ、って内容の特集だったと思います。今週は、連載ではない単発仕事でお茶を濁して更新いたしました。