こどものとも5月号
福音館書店の「こどものとも」5月号の絵本として「おべんとうを たべたかった おひさまの はなし」を描きました。本田いづみさんの作。この絵本のめずらしいところは縦にめくって読むところです。というのは、話がすごく上下するからです。てきとうにダイジェストに載っけますが、おじいさんのお弁当をおひさまが食べたいお話。たけのこ掘りにきたおじいさんがおべんとうのつつみを置いたのをみつけたおひさま。おいおい、おじいさんそんなところにおべんとうを置いていっちゃいけないぜ、と思うが、いちいちそんなことをつっこんでいては絵本なんて読めないぜ。お日さまは、春になるときに、みんなを照らしてあげたので、おなかがペコペコなのである。おひさまがおべんとうを食べるのか?おひさまはお腹がへるのか?なんて野暮なことはつっこまない。子供のこころをもって絵本を読もう。いいな〜、おべんとう食べたいな〜、と思うおひさまなのだが、そのまえに、つつみの中身がおべんとうであることがなぜわかったのか?……お天道様はなんでも知っている、と、昔の人はよく言ったもんである。じーっと、じーっとおひさまが見つめると、ポカポカしてきた地面から、それもちょうど、おべんとうのつつみにひっかかる位置からたけのこが生えてきた!すごい!おひさまは、こりゃいいぞ!と思ってさらに照らすと、どんどこたけのこは伸びる。そんなに伸びたら竹になるんじゃないかって思うのは、くだらない大人になった証拠。たけのこのままどんどん伸びる!…さて、おひさまに届くまでは、まだまだ伸びなくてはいけません。このあとどうなるのか!?そしておべんとうを食べ損ねそうな可能性大のおじいさんはどうなる?…それはここでは見せられない(絵本というのは子供が何度も読んでくれろ、と親にせがむものなので、話がすべてわかったところで問題はないようだが、やはり見せないことにしよう)。そしてもうひとつのアナザーストーリー、おじいさんとおばあさんのこともあるのだが、それもここでは触れない。ちなみにおばあさんは、文中には登場しないのだが、ぼくが勝手に登場させた。たけのこの季節ですなぁ。今晩はたけのこご飯にでもしようかな。