私も探偵してみた
「泉麻人のロケ地探偵」今回は1952年制作「魚河岸帝国」という映画。「帝国」というあだ名で呼ばれる、運送業の荒くれ親分には山村聰が扮している。ハゲのヅラをかぶっているので最初はコントを見ているようだった。しかし映画をみていくうちに山村聰の芝居にひきこまれてハゲヅラはまるで気にならなくなる。この連載は、泉さんが映画のロケ地を当てるというのが、腕の見せ所である。毎回ほんの数秒のシーンを言い当てるのが、さすがとしか言いようが無い。(画像はクリックすると綺麗に大きくなります。毎度のことながら。)
今回は僕も推理してみることにする。といってもロケ地ではなく、屋台ののれんについてである。映画の冒頭、スタッフ紹介の字幕に、「美術 河野鷹思」とでてきたので、おおっ!と思った。河野鷹思の若き日のデザインを集めた「青春図画」は僕のバイブルでもある。松竹キネマの宣伝部に所属していたというから、その関係で美術をつとめていたのだろうか?しかし、魚河岸のゴミゴミしたセットや、従業員たちのタコ部屋や…いったいどこの美術を担当したのだろうと、それらしきもの、を見つけられなかった。ところが終盤の屋台ののれんがハッとするほどグラフィックで洗練されて可愛かったので、きっとこれに違いない!と嬉しくなった。(たぶん他にも担当箇所はあったのだろうが、僕が推理できたのはここだけです。)その画面を描き写してみました。ホントはもっとキマッてます。タコののれんをバックにしてハゲヅラの山村聰が飲んだくれてるのもおかしいシーンでした。