伊野孝行のブログ

良いお年を!

今年は8月に「鍵」HBギャラリー、12月に「画家の肖像」リトルモア地下、と二つも展覧会をやって、我ながらいっぱい絵を描いた年であった。私はすっきり片付いた部屋でくつろぐのが大好きなのだが、どうも「片付ける才能」がないらしい。そのかわり「散らかす才能」はある。日々、絵を描いていたのでどんどん散らかる。「画家の肖像」が終わるまで片付けない!といつの間にか心に決めていた。で、こういう有様になってしまった。この日,急に雨がパラパラし出したのでバスタオルをとりこんでイーゼルにかけておいたが、写真でみると何か不潔っぽいのでモザイクをかけてしまった。

手前にヒモがあるのはそう、寝るとき電気消すヤツ。でもこの時はすでに寝る場所もなくなったので、隣の部屋で寝ていたが…。さて私はこの部屋を大掃除しております。来年は新しい気持ちで新しいことにまたチャレンジしていきたいです。皆様も良いお年を!!

「画家の肖像」終了!

19日の日曜日をもちまして「画家の肖像 Takayuki Ino’s National Portrait Gallery 」は無事千秋楽をむかえました。お越し下さったみなさまありがとうございます。この年末の忙しい時期に、わざわざ展覧会に足を運ぶというのはとてもメンドクサイことなので、私は腹の底から感謝しています。行ってみようかな?行きたいな、と思って結局は行かなくても、そのお心に感謝いたします。あと、展覧会の後半には音声ガイドを自分のipodにダウンロードして持参してくださったお客様がたくさんいて、ありがたかった。個展は自分祭りなので、終わったあと、燃え尽きた症候群のようになりますが、今回はますます燃えています。何故かって?それはまだナイショじゃ〜!とにかく年末進行の仕事と、年賀状、あとゴミ屋敷一歩手前の部屋をなんとかしなくては。いやいや、そんなことよりも来て下さったみなさん、ありがとうございました!!

 

 

画家の肖像・12/19まで!

只今開催中の私の個展「画家の肖像 Takayuki Ino’s National Portrait Gallery 」も折り返し地点を過ぎ、残すところあと6日。12月19日までとなっております。この展覧会はなかなか画期的な展覧会なのでそれを箇条書きにしてみました。

◯俳優やミュージシャン、小説家を描くのではなく「画家」を描くのがミソ。画家にはそれぞれのタッチがあるから、対象になっている画家をどう描くのか、そのやりとりが見物。(それはオマージュであったりパロディであったり、引用であったり、そのどれでもなかったりする。)こういうやり方をするのは私がイラストレーターだからであり、絵画の展示でありながらも、イラストレーションの芸をお見せする展示になっているところが画期的。

◯今のメディアの進歩にともない、本人解説による音声ガイドをつくったのも画期的。これはサイトから聞けます。ダウンロードしてご自分のipodなどに入れて聞く事も出来ます。美術館の解説と違って本人が言ってる事なので、間違いはあっても間違いでない。私は恥ずかしいので聞き返してませんが。
伊野孝行個展「画家の肖像」作品解説はここをクリック!約43分

◯他人の作ったものを見て面白い!と思ったら自分もやってみたくなるのが、人間の常。そういう意味で自分の絵は,他人の絵から始まっているのかも知れない。しかし、自分の歩いたことのない道を踏むのは怖いところもある。今回は遠慮なく歩いてみた。そして歩いてみたら歩けるものだと思った。自分の絵は自分で限定してはいけない。歩けるところは歩いてみようという実験でもあります。展覧会は実験的要素が入っているとおもしろいと思います。

てなわけで、南伸坊さんとのトークショーも終わってしまいましたが(南さんの色んな話が聞けてとてもおもしろかったんですよ。)ぜひとも会場に足をはこんでいただきたいと願っております。DMを6種類作りましたが、それだけで見た気にならないで、是非。DMなんか氷山の一角にすぎませんから!入場料が200円するんですがこれはきまりだから仕方がない。なんとか200円の元は絶対とれるようにこの1年頑張りました。みなさまのご来場をこころよりお待ちしております。かしこ。

音声ガイド

只今、リトルモア地下にて個展開催中につき、ブログの更新は不定期になっております。今日は音声ガイドが聞けるようになったのでそのお知らせを。

やる気満々、才気煥発のますいめぐみプロデューサーが「伊野サン、音声ガイド録りましょうよ〜!」ということで急遽、初日オープン45分前に録音しはじめた。ますいさんの指示の元、音響担当のノブさんがすかさずセッティング。録音は一発録り、原稿もなしで、一気に語り下ろしたので、結構まちがった事も言ってるかもしれません。

しかし、聞き返すのが恥ずかしいので知らんぷり。9日のトークショーと少ししゃべる事が重なるけど、南伸坊さんとの対話形式なのでたぶんこれはこれでいいでしょう。美術館の音声ガイドは馬鹿らしくて一切借りた事がないけど、本人がガイドしているのは画期的。まあ、絵を見る邪魔になるかもしれないけど。見る前に聞いたり、見てから聞いたり、ipodにダウンロードして聞きながら見たりと、いろいろ楽しめますが、とにかく僕は絶対自分で聞きかえすのは嫌じゃあ〜っ!
伊野孝行個展「画家の肖像」作品解説はここをクリック!約43分

これはあくまでオマケみたいなもんなので、ぜひ会場に来て見に来て下さいね〜!!

 

 

「画家の肖像」スタート!

みなさま、本日12月4日より個展「画家の肖像 Takayuki Ino’s National Portrait Gallery 」が始まりました。19日までやってます。場所はリトルモア地下にて。40人の画家、62点がみなさまのご来場を心よりお待ちしております。9日は南伸坊さんとのトークショーもあります。あ、月曜休みですのでお気をつけください〜!リトルモア地下のホームページはコチラです。

 

 

個展「画家の肖像」その3

 

先々週から引続き、12/4〜12/19「リトルモア地下」でおこなわれる個展の宣伝です。今週は全6種類ある豪華DMより残りの2枚「岡本太郎」と「オノ・ヨーコ」の肖像をどうぞ!(クリックで大きく鮮明になるはず…)

岡本太郎の横にいるのは「午後の日」という彼の作品で、そのままお墓にも使われています。

似顔絵的にはいまひとつだけど、オノヨーコです。徹子の反対側、ヨーコの横にいるのはジョン・レノン(Tシャツ)で、実際オノ・ヨーコは「徹子の部屋」に出たけどもちろんTシャツなんか置いてません。イマジン…想像してごらん。

先週の木村荘八、ホックニーとちがって、この二人はとくに画家の作風に合わせた、という描き方ではありません。ポストカードにするのに誰でも知ってる有名な人がいいかな、と思いました。このように作風と関係なく描く場合もあり、作風に近づけてなんとなくそれっぽく描いたりと、描き方はいろいろ。画材もいろいろ。「あの手この手」で描く展覧会なのです。

たとえば和田誠さんがジャズプレーヤーや映画監督の肖像画を和田さんのタッチで描かれるのに対して、今回は画家がテーマですのでタッチもあれこれ変えて、時に自分を見失ったりしながら描いてみよう、という主旨です。自分の絵を、自分の絵たらしめているものをどんどんさっ引いてしまうと、これは自分の絵なのだろうか?と心細くなります。しかし、何をどう描いても自分の絵にはかわりありません。むしろ自分の絵という概念で、気付かぬままに自分を自分で縛っているかもしれません。

実際、この展覧会用に絵を描いてみてしんどかったのは、毎回、画集を開いて巨匠の絵を参考にしながら描くので、自分の絵がしょぼく見えて仕方なかったこと。ヘタなモノマネにしかなってないのではないかという不安。そして自分の絵…。ようやく楽しんで描けるようになったのはつい最近です。そう近頃は、なんだっていいやという自由の境地に近づいたのか、あまり描く前に恐れがなくなりました。自分に出来ることには限りがありますが、その幅はどれだけあるのか、描いてみないとわかりません。結果として非常に楽しい実験でした。(まだ、描き終わってませんが…)

DMのデザインは日下潤一さんにお願いしました。浅妻さんと長田さんも手伝っていただきました。そう、このメンツは今年の始めにロンドンにいっしょに行った方々です。ブログをさかのぼるとその記事もあります。そんなわけでロンドンから宿題を持って帰って、ようやくその答えが出る展覧会であります。(まだ描き終わってませんが…)

リトルモア地下ホームページはこちら!!ここでやります!