昨日、ベロベロになるまで飲んでしまい、今日は二日酔い。しかも朝から〈永青文庫〉に春画展の後期展示を観に行かなくてはならない。芸術新潮でやっている「ちくちく美術部」の取材だ。もう、めちゃ混みで、熱気もムンムン。いっしょに行った担当編集者の高山れおなさんは、暑くてジャケットを脱いでいたが、黒いTシャツの背中に大きく「禅」という文字が白抜きされていて、可笑しかった。〈永青文庫〉の春画展の前期展示は友だちと観にいったのだけど、「ちくちく美術部」でとりあげるとは思わずに、自腹で分厚い図録を購入してしまった。春画展、展示以外にも、来ているお客様を観察するのもおもしろいです。社会現象としての春画展。
帰りに新潮社に寄り、社食でグラタン定食をごちそうになり、今、帰宅。頭が強烈に痛い。…こんな日はブログの更新もサボりたい…どうでもいい日記風文章で行数稼いだから、あとはサラッと絵を載せてバイバイしよう。文藝春秋の「オール讀物」11月号に描いた挿絵。平岡陽明さんの読み切り短編小説です。ここのところ、平岡さんがお書きになるときは、挿絵を担当させてもらえる。これで3回目です。
う〜頭痛い。今日はこれにて。
俳句雑誌「クプラス」第2号で「正岡子規ネオ」という特集があり、扉の絵を担当しました。俳句のことはぜんぜん詳しくないのですが、編集人の高山れおな氏は俳人であることはもちろん、現在芸術新潮の副編集長であり、わたしの連載「ちくちく美術部」の担当でもあります。
かつて25年間「芸術新潮」のADをしていた日下潤一氏のお声がけのもと、デザイナー、カメラマン、イラストレーター達のボランティア精神にのっとった仕事のおかげで、めでたくクプラスは第2号が出せたわけでございます。(…へへへ、なかなか恩着せがましいねぇ。)どうです?かっこいいでしょう?…手前味噌ですが、わりと気に入っております。文字も書いてます。「クプラス」は出るたびに俳句界に物議をかもす雑誌だそうで、とんがり具合が気持ちいいです。昨日、新宿の紀伊国屋書店に行ったら、まだちゃんと平積みされていました。エラい!
筒口直弘さんの写真による子規庵のヘチマが表紙です。もうとっくに発売されているのですが、発売時期はこのヘチマの季節でした。私がブログにあげるのが遅すぎたのです。子規庵って鴬谷のラブホテル街のすぐそばにあるんですよ。このおねぇさんは何者かわかりませんが、表4もすばらしい。子規庵の取材にぼくも同行しましたが、筒口さんいつのまにこんないい写真をとっていらしたのでしょう。
俳句のことがわからないのに断言しておくと、「クプラス」は新しいこととおもしろいことに挑戦している感じのする雑誌で、これぞ「文化」でございます。こころざしをともにする仲間でお金をだしあって作っているわけですが(わたしはちょこっとだけ絵で協力したにすぎません)、今後も続いてほしいなぁ。今日11月3日は文化の日で、休日だからついブログの更新もサボろうかと思いましたが、本日アップするにふさわしい雑誌だと思います。
今売りではなく、もうすでに書店にはない「散歩の達人9月号」で描いた絵をいまさら載せます。ちょうど特集は大井町・品川・大崎で、ぼくは「大井町の音楽バーはなんだかすごいぞ!」というコーナーを担当した。イラストレーターは家で仕事を済ませることが多いので、取材があるとけっこう出かけるのが楽しみだ。一軒目はAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)専門のバー「THE NIGHTFLY」。ちなみに取材はアポなしであった。お酒を2杯くらい注文してから、店主と雑談をかわすなかで、「実は我々はこういう者でして…」とおもむろに「散歩の達人」のバックナンバーを渡す。そこからぼくは資料にする写真をとらせてもらう。iphoneのカメラなのでこころもとない。お次は「Trust Saloon」ロック&メタルのバーです。実はここは取材の三軒目。二軒目のとあるバーで取材を断られてしまったのだった。もちろんそこでも取材を申し込む前にお酒を2,3杯注文しているから、つまり「Trust Saloon」ではもう6〜8杯目くらいを飲んでいることになる。バーだからがっつり食事をしないで、乾きものをつまんでいる程度なので、けっこう酔っぱらう。しかも二軒目で取材が失敗したから、なんとなく意気消沈してしまって、酔いもまわるって。結局、日を改めてもういちど大井町を訪れることになった。さて、完全にしらふの状態で取材再開。まずフランク・シナトラの専門「ALBERT BLUE」に入る。ここはけっこう食事も充実しているので、晩ご飯がわりに飲み食いしてしまう。この日の二軒目はモダンジャズバーの「IMPRO.」とにかく店の中が暗闇にちかく、撮った写真もほとんど使い物にならなかったが、異空間が心地よい。この店で取材も最後ということで、酒が進んでしまい、結局またけっこう酔っぱらった。実は二、三、四軒目の店は同じ建物にある。せまくて急な階段のついた、ふる〜い建造物。当然3つの店もものすごく狭いんだけど、となりあったお客さんとも自然にうち解けられる距離、っていいましょうか、いいんですよね。こういうバーの魅力だと思います。
「散歩の達人」は雑誌らしい雑誌で、取材も仕事も楽しい。お店の情報が載っている媒体は他にも腐るほどあるが(実際その多くは腐っているかも?)、「散歩の達人」は雑誌らしい切り口がちゃんとあるので、誌面をめくる指先を小躍りさせるのである。お世辞ではありません。