江戸アートナビが更新されたので、こっちもそれを載せておこう。今回は「和洋折衷の土産物が西洋人の間で大流行!作者不詳《和装西洋男女図》の巻」でございます。くわしくはサイトで直接読んでいただくことにしてぼくのブログは余談でも。
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五姓田芳柳という人が、日本に来てた外国人船員相手のお土産を描きはじめて、それが流行したという話から、美術のおもしろさとはなんぞや?というところにつっこんでいくのが今回のポイント。ちなみに江戸アートナビでとりあげているのは作者不詳の絵で、五姓田芳柳工房の作にくらべるとやはり質が落ちますね。だからいわゆるお土産的であります。(画像は「芸術新潮」のデロリ特集号より)左の男性の絵が五姓田芳柳作。右は矢内舍柳村という人の絵。あらかじめ描かれた着物の絵と外国人の顔を合成してお土産をこしらえるわけです。五姓田芳柳は歌川派や狩野派に学んで油絵にも興味津々だった人だったので、お土産とはいえ、ウマい!写真みたいに描く技術をすっかりマスターしてるじゃないですか。絹にサラッと描いてこのリアルさ。きっとカメラオブスクーラみたいな光学的な機械も使ってたんじゃないでしょうか。安村先生は、そういう技術ってのは明治に一気に入って来たわけじゃなくて、江戸の頃から徐々に入って来てる、って言ってましたね。
この時代の美術を書いた本に、木下直之さんの「美術という見世物」(講談社学芸文庫)があって、とてもおもしろいので、おすすめです。高橋由一の絵も「油絵茶屋」で飾られていたらしいっすよ。そんで時代が進むとちゃんとしたところで見せるようになるんだけど…その後の日本美術を見ると、こういう感想をもらしたくなります。
横浜銀行総合研究所が発行している「ベストパートナー」という雑誌(書店には売っていない)で守屋洋さんの「中国古典のリーダー学」というコーナーで絵を描いています。版画でお願いします、といわれたので久しぶりにゴム版でやってみました。孔子と弟子たち。金をがめって孔子に怒られる社長の図。孫子の中にでてくるエピソード。なんだっけかな?情報収集ということだったか?盗み聞きをしている図。孫子の教えにあるリーダーが備えていなければならない5つの大切なこと。荀子と孟子の性善説と性悪説。荀子も孟子も、もとは孔子の教えから派生してできたものである。
さて
人間の考えは、釈迦やソクラテスやキリストや諸子百家の時代に出尽くしている、という説に賛成だ。どうしても賛成したい理由がある。
すでに諸子百家の中の、荀子と孟子が、孔子の教えの片面をそれぞれ強調している、らしいしではないか。
エピクロス派とストア派も、同じことを片方から言うと快楽主義となり、もう一方から言うと禁欲主義になる、らしい。らしい、らしい、と言っているのは読んだことがないからだ。
プラトンの「ソクラテスの弁明」とかは読んだことがある。当然読みやすいしおもしろい。「老子」「荘子」を読んでずいぶん、気持ちが助けられたこともある。
20代の頃は難しい本も読んでみようと思って、買ってみたりしたこともあったけど、一行を読むのに3回くらい読みなおして、しかもおぼろげにしか意味がつかめなかった。がんばって一章を読んでも、結局何を言っているのかよくわからない。自分は頭が悪いんだ、と思ってたけど、ある時、一行読むのに3回も読まなきゃ意味がつかめない日本語を書く方が悪い、と思ってから、難しい本を読むのをやめた。
人間の考えが二千年くらい昔にすべて出そろっていて、あとは組み合わせのバリエーションだったとしたら、最初のヤツを読んだほうがいいと思うんだけど。それらの本はむつかしい言葉は使ってなくてわかりやすいし。
すみません。わたしのブログ、絵以外はすべて余談です。