光文社の雑誌「美ST」に自律神経を説明するマンガを描きました。「この仕事をなぜボクに……?」ということは、たまにあることだが、編集者の人もそんなに深く考えてないと思うし、案外「たのみやすいから…」とかいう簡単な理由かもしれない。でも、この人ならこの絵でこんな感じに、というお決まりのパターンより、けっこう楽しめたりするからおもしろい。それに、なんでもやらなきゃ食っていけない零細家業だし…。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」がある。この二つの神経を交ちゃん、副ちゃんという女性漫才師に見立てて、「自律神経の乱れは美の乱れ」であることを40代女性に啓蒙するマンガである。
以上。ちなみに彼女たちがしゃべってる大阪弁はテキトーです。本場の人が読んだら、エセ関西弁といわれるかも。ぼくは三重県なので三重弁(関西弁の一種)しかしゃべれませんが、こっちで話す機会はほとんどない。たまに三重県の人と出会っても、なかなか三重弁でしゃべらない。三重弁はあまり敬語が発達していないので、使いにくいからかな。そのぶん素朴でかわいらしい、と今では思います。
北尾トロさんが編集人・発行人をつとめる季刊「レポ」の第16号が出た。表4の「山田うどん」の広告の絵を描きました。広告といっても、ロゴさえ入っていれば「好きに描いていいです」と言われていて、いわゆる普通の広告ではない。もちろん広告代理店も介在していない。「レポ」と「山田うどん」の関係は、どっちもお互いに応援しあうという関係でユニークだ。北尾トロさんとえのきどいちろうさんの共著で「山田うどん」の本が2冊でています。このあいだトロさんの仕事場で「レポ」の発送作業があった。ライター仲間が集まる場でもある。ライターってどんな人たちなんだろうと興味もあったので手伝ってきた。ぼくは単純作業をしながらおしゃべりするのが好きなんだけど、トロさんのまわりに集まる人たちには自分とおなじ波長があるのか、とても気持がなごんだ。レポの特集は「オンナの土俵際」おもしろいよ〜。レポのサイトはこちらです!
ぼくが描いたのは北尾トロさんとえのきどいちろうさんによる「山田うどん取調室コント」だ。残念なことに「山田うどん」のチェーン店はぼくの生活圏内にはないので一度も行ったことがないし、店舗自体も見たことがない。是非いちど「埼玉の味」をあじわってみたいものだ。
さて、もうひとつおしらせ。「江戸アートナビ」が更新されている。今回は「英一蝶(はなぶさいっちょう)」です。洒脱なセンスで江戸の風俗を描いた絵師英一蝶《雨宿り図屏風》監修/安村敏信
この連載は毎回、安村先生のお宅におじゃまして話を聞く。この時間がたのしい。こちとら美術史なんてものはよく勉強していない。自分の目で見て「あ、こ の絵おもしろい!」と思った絵をどんどんインプットしてきただけなので、どの画家が同時代だとか、どっちが先だとか、てんでばらばらに入れてある状態。英 一蝶についても、いつの時代に生まれたとか、12年間も島流しにあったことがあるとか、今回はじめて知った。
どんな人でも生まれた時代に規定される。自分をとりまく状況のなかで何をしたいと思ったのかを知るのがおもしろい。そういう知識は邪魔にはならず、絵の中の問題意識をくっきりさせてくれる。生まれた時代の中で何をするのかというのは自分にもあてはまることなので、興味がある。きっとこの興味は、絵を描いているから出てくるものだ。調べものはそこからはじめればいい。これが一番正しい勉強の仕方のような気がする。