日本薬師堂で通販商品を買うともらえる「東海道五十三次カード」。全部集めるとなにかいいことあるよ、きっと。前にブログで日本橋から三島までアップしたので、今回はそのつづき。「沼津」「原」「吉原」「蒲原」「由井」「興津」「江尻」
この東海道五十三次は、足腰達者で元気なおじいさんおばあさんが、旅をする設定。もちろん広重の東海道五十三次のもじりです。元の浮世絵はB4サイズくらいかな?私はA4のサイズで描いている。カードはハガキサイズだから、さらに縮小されてしまうので、大雑把に描いてもちょうどいいくらいなのだが、元の浮世絵はかなり細かく描写されていて毎回驚く。なのにスッキリした印象をうけるのはやっぱ構図が考え抜かれているのと、版画の線だからだろう。あとモノの形の単純化もうまい。五十三次を全部描くのは、勉強になるなー。
ところで、ご存知のとおり、江戸幕府は諸大名が反旗をひるがえさないように、参勤交代という制度をもうけて、定期的に江戸に行き来させ、各藩の財政をムダに使わせた。これによって、徳川の世は十五代も安定し、東海道をはじめとする五街道も発達し、おまけに明治になってから、鉄道を通すときに、街道がそのまま使えて、近代化も早く進んだ。封建制度維持のための制度が、すばやく近代化をうながす元になっていた、というのがなんともおもしろい話である。
あけましておめでとうございます。盆と正月をのぞいては毎週火曜にかならず更新するのだけがとりえの当ブログ。さかのぼれば2008年11月8日にスタートしているので、5年は経っている。ほんとに「あっ」という間。しかし、私は忙しいと感じることがめったにない。自分のまわりにはたいていのんびりした時間が流れていて、いつも気づくと、横になっている。寝ころぶことが私の基本姿勢であるかのように。ときどきあまりに人生をムダにしているような気がする。「時間がない」なんてカッコイイこと言ってみたいよ、今年は。そんなところで、本年もどうぞよろしくおねがいいたします。
さて福音館書店「母の友」1月号の「読んであげるお話のページ」で「おばあさんとおに」というおはなしに絵をつけた。本田いづみ さんの作。掲載された「母の友」が見当たらないので(ちゃんと送ってきていただいてますよ、見当たらないのは私の部屋が汚いから)、記憶をたよりに話を説明すると、よく「痛いの痛いのとんでいけ〜」ってあるでしょ?あのおまじないをマジで使えるおばあさんがいて、ある日たんこぶをつくった子供をなおしてやった。そしたらその「痛いの」が山の向こうへ、ぴゅーっと飛んでいいって、悪さをするので嫌われ者の鬼の大将のお腹にひっついた。もう、痛いのなんの!鬼の子分たちは親分のことがせづねぐて、婆さんのところに頼みに来たわけだ。(ちなみに一番右の赤鬼が次のヘッドになると見たね。このウンコ座りからして。ま、おはなしとは全然関係ないんですけどね)でも、他へ「痛いの痛いのとんでいけ〜」とやると他の者に迷惑かかっちまうし…。どうしたもんかなぁ。そこへ「ぺったんこ、ぺったんこ」と正月用のモチをつく音が聞こえて来た。そうだおもちに飛ばしちゃえば?おもちは杵でつかれても平気のへいざ、痛くもなんともありゃしない。しかもつけばつくほどうまくなる。おばあさんの名案!おかげで鬼の腹痛も治って、ふだんの悪行を反省し、おばあさんにお礼を言って山に帰っていった。みんなもおいしくおもちを食べましたとさ。…というような内容だった。…今、ようやく「母の友」1月号を発見した。私の記憶はだいたいにおいてあっていたが本田いづみさんの文章で綴られると見事である。当然だ。これはやはり本物の文章で確かめねば読んだことにはならないので、こちらでゲットだ!
ちなみに今回の絵の線画は左手で描いた。達者な感じの線にしたくなかったので。文字は左手だと描きにくいが、この程度の絵なら左手でもじゅうぶんだな…と思った。