このブログって、基本的に自分の宣伝ばかりしてるので、嫌んなっちゃうけど、気をとりなおして今日も書こう。意外な人が買ってくれた第2弾です。今年の夏にリクルートのG8で毎年恒例のTISの展示があった。今回のテーマはG8のある場所でもある「銀座」。僕は吉行淳之介が銀座のクラブで飲んでる絵を描いた。文壇一のモテ男を、なぜか川端康成がのぞいてる、といういつものヤツである。こんな状況があったらおもしろいな、というだけのことで深い意味はありません。
いつもG8での展示は作品を販売していて、売れないと寂しく、悔しい思いをする。片一方で、160?名近い出品者のなかで目立ちたい、受けたいという気持ちもある。たくさんある作品のなかで記憶に残るのも至難の業だ。結局、今回も売れるより受けを狙ったのだが、意外なことに売れていた。はー、良かった、うれしい。ついでに誰がお買い上げになったのか事務局の人に尋ねると、有名漫画家、黒鉄ヒロシさんだというから、二度驚いた。そういえばオープニングで藤子不二雄Aさんと銀座の綺麗どころと、いっしょにいらっしゃるのをお見かけした。銀座のクラブなんて僕には全く無縁なだけに、別世界の人を見たような感じで「あー、ほら見て見て」なんてとなりの友達に話しかけたりしてたのだが…。
個展をすると、がんばれよ!という意味もあるのだろう、絵を買って下さる方々がいらっしゃる。イラストレーターの仕事は絵の使用料としてギャラをもらうので、原画を売るわけではない。絵も仕事にあわせて仕上げるわけである。純粋に描きたくて描いた絵で個展をして、売れたりすると、何だか本当の絵描きさんになったようで照れくさい。
この絵は去年の個展のときに売れた。開廊時間より1時間ばかり遅れて到着すると、ギャラリーの赤池さんの様子がおかしい。「さっき外人さんが来て、この絵が売れたんですよ。」と興奮気味だった。何故かというと、その人の置いて行った名刺には、GIVENCHY(ジバンシー)の香水部門代表取締役社長と書いてあったからだ。そのJ.M氏は朝の散歩の途中にふとギャラリーに足を踏み入れたらしく、通訳が同行してたので、絵の内容も理解した上で買ってくれたという。社長室に飾ってくれてるのだろうか?香水にオナラとはシャレのわかる社長だ。フランス人のエスプリにメルシーボーク!
今年の5月に開かれた、有隣堂ギャラリーでのTISの展示「わたしと、この一冊」に出品した絵です。僕が選んだのはゴッホがテオや友人に書いた手紙を集めた「ゴッホの手紙」。自分をはげまし、奮い立たせるのは、結局自分以外にない。そう、強く思わせられる。
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