新・伊野孝行のブログ

2020.4.14

ぼくの映画館は家から5分

下高井戸には都合2回住んでいる。合計すると22年になるので実家より長い。すでに郷土愛のようなものもある。
今年の1月号からリニューアルした老舗脚本専門誌「シナリオ」で、『ぼくの映画館は家から5分』と題して、絵入の短いエッセイを連載させてもらっている。
この映画館は、もちろん下高井戸シネマのことだ。

バラエティに富むラインナップ、会員割引のお得感。下高井戸シネマは日本一の二番館だと思っている。でもやっぱり家から5分で行けるのがいい。引っ越すと近所に映画館がある生活を手放すことになる。それが惜しい。映画館だけではない。引っ越してここに来にくくなるのがヤダ、というお店や場所がいくつかある。この町が気に入っている。
だからこの連載では、下高井戸界隈のことを絡めて書こうと思った。
映画の専門家ではないぼくが専門誌に書けることと言ったら、それくらいのことしかないのだった。

さて、新コロ緊急事態宣言下、我が下高井戸シネマも休館を余儀なくされている。
クラウドファンディングがあることを知った。
いつもネタに使わせてもらっているのだから、ひと肌脱がねば。

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『ぼくの映画館は家から5分』がゆくゆく一冊の本にまとまる……ということもないだろうから、ご挨拶がわりに4回分を載せてみます。




「シナリオ」はギャラ的にまったくおいしくはないのだが(スミマセン)、そんなことを気にせず楽しく仕事が出来る。むしろ他の仕事より気合が入るくらいだ。5月号までの表紙をご覧ください。楽しそうでしょ?

リニューアルのアートディレクターは日下潤一さん。自由なのは絵や写真だけではない。ロゴだって毎号微妙に違うのだ。下の引用は日下さんのブログより。

〈ロゴのデザインは「ヨコカク」の岡澤慶秀さん。カタカナ4文字を、太さとプロポーションが違う書体で組合わせたいという私の希望に、5書体5ウエイトのセットを作ってくれた。これを毎号ちがう組み合わせで使っていく。岡澤さんの巧妙なデザインに、気がつく人は多くないと思う。変えても同じ雰囲気になるのが面白い。欧文書体、表紙のデザインや絵や写真も毎号ちがえる。本文のイラストレーションは、一冊まるごと伊野孝行君である。〉

本屋で見かけたら、ぜひ立ち読みでもしてください。