2020.11.17
婦人倶楽部とWAVE
婦人倶楽部の新曲「君にやわらぎ」のジャケット描きました。
背景の奥でパッカリ割れているのが佐渡金山、「道遊の割戸」。大げさに描いたのではなく実際にこんな感じだ。ぜひ画像検索でもしてください。
もう何年くらい前のことだろう、そんな前でもないか。
友達のイラストレーター犬ん子さんがLINEスタンプを作っていて、とても使い勝手が良く、なおかつシャレていた。
「これ、自分のオリジナル?」と聞けば「佐渡の婦人倶楽部っていうバンド(アイドルグループって言ったかな?)のLINEスタンプなの」と答えてくれた。
その時、はじめて佐渡には婦人倶楽部というバンド(アイドルグループなのか?)が存在することを知ったのである。スタンプの中には「あっというまにおばさんよ」というのがあるので、おばさん達なのかもしれない。
佐渡ヶ島に暮らす主婦たちが巻き起こすポップアート「婦人倶楽部」。婦人たちのつぶやきを暮らしにお役立てください。(スタンプ制作:青空亭)
YOUTUBEをあたってみると、めちゃくちゃクオリティーの高いミュージックビデオがいくつか上がっていた。
婦人たちの顔は手拭いで覆われているのでわからないが、それほどおばさんではないようだ。むしろ若い。ぼくからすれば女子大生くらいの感覚だ。それでも、あっというまにおばさんなのだろうけど。
Twitterに婦人倶楽部のアカウントがある。宣伝の時は「回覧板まわしてね」という決まり文句をつけているのに、唸った。「拡散希望」とか「リツイートお願いします」なんて野暮な言葉は使わないのが、主婦のひと工夫だ。
婦人倶楽部は音楽以外の衣装、振付、撮影、小物……顔出しNGも含めて、世界観がカンペキに構築されている。「回覧板まわしてね」にもそれを感じた。年齢を聞かれた時に10万23歳と答えたデビューしたてのデーモン小暮を思い出した。婦人倶楽部も要所要所にひと工夫あって楽しい。この丁寧な主婦たちのものづくりは「暮らしの手帖」に取材されるべきである。
昭和初期までは金銀の原鉱を処理していた施設跡地。スゲー!写真は佐渡島の魅力を切り取るカメラ女子、sakiさんの撮影。
そんな婦人倶楽部から新曲のジャケット依頼が来たから緊張した。
「江戸時代の佐渡の金山にタイムスリップした婦人たちを浮世絵風に」という依頼内容は確かにぼくのレパートリーで受けることができるが、一聴すればわかるように、婦人倶楽部の楽曲はとてもおしゃれなのである。
投げ込めるストライクゾーンは狭い気がした。コントロールに注意せねば。キャッチャーが構えるミットのど真ん中に放りこめた時、イラストレーター稼業の充実感も得られるのである。
キャッチャー役はプロデューサーのムッシュレモン氏と婦人A(婦人倶楽部はイベント担当の婦人A、ヴォーカル担当の婦人B、パフォーマンス担当の婦人C、演奏担当の婦人D、さらに最近もう一人加わって5名になったそうだ)だった。婦人Aは実はぼくとは昔ちょとした関係があったことが今回判明した。縁は異なもの味なもの、先立つものは佐渡の土、なんのこっちゃである。
仕事のやり取りをしている時にも、「すみません、稲刈り作業でお返事が遅れました」とかメールが返ってくる。婦人たちは本当に佐渡に根差して生きているようだ。
しかし依然として正体はヴェールいや手拭いに包まれたまま。
いつか佐渡に渡ってトキとともにこっそり生態を確認したいリストに入れた。
おまけにもう一つ回覧板まわすわ。
11月21日〜29日。3331Arts Chiyoda(元学校だったところね)にて開催される「WAVE2020」に出品します。
今まで一度も波に乗ったことがないイラストレーターだけど参加してもいいのかしらネ。
絵はもう描けました。今日は搬入に行って来ます。
今回は特大絵馬に絵を描くことにした。今回は私の考える現代美術をお見せすることになるだろう。
こういう形で売ってるわけでなくて、木材から切り出した
WAVE2020のDM。