2021.4.1
個展「風狂」開催!
新刊『となりの一休さん』が発売されると(春陽堂書店刊)、頭が自然に「本をみなさんに届けたい」モードに切り替わってしまい、SNSでやたら宣伝ばかりしてしまう。
すみません。でも、本屋さんに置いてもらうのもなかなか大変なのです。
友人たちが「本屋にあったよー」と写メを送ってくれると、ことごとくガチな仏教コーナー(笑)。書籍コードにそういう情報が入っているのでしょう。いきなり鈴木大拙のとなりに並ぶ『となりの一休さん』なのです。
『となりの一休さん』はエッセイ棚とか、同じ仏教でも美術関連の禅コーナーとかの方がお客様と通じる気がするんだけどなぁ。
なぜかと言えば、美術畑の人間が書いた本だから。絵の好きな人とは通じ合えると思い込んでいます。
さて、そんな美術畑の私の主戦場である個展が開催されます。
日時は4月16日(金)〜21日(水)。場所は表参道のHBギャラリー。
テーマは「風狂」。
(※ この展覧会は『となりの一休さん』の原画展ではありません。書籍は販売しています。)
「風狂」を辞書で引けば「気が狂うこと」「狂人」「風雅に徹し他を顧みないこと」などと書かれていると思います。
常軌を逸した発言、行動で人々を驚かせた一休さんも稀代の「風狂僧」でした。
なぜそんなことをするのかというと、奇や狂の形をとることで、いつの間にか沈殿してしまう人間の意識を攪拌し、自由の風を吹かせるためだと思います。
自由に生きる、自由に絵を描く、ってけっこう難しいことですよね。
狂っちゃえばいいの?
デタラメにやったからと言って、それは自由ではないかもしれません。
禅画というジャンルがあります。禅の心を伝える絵ってことでしょうか。
禅は「ZEN」となり、その思想が世界に影響を与えているのはみなさんもご存知のはず。もちろん美術も例外ではありません。言うなれば『となりの一休さん』も、個展「風狂」もその一つです。
禅の考えの中には、視座を転換させることも含まれています。だから現代美術とも相性がいいわけ。でもイラストレーターの身体の動かし方、筋肉の付きかたってあると思うんです。
自分なりに、禅やらZENやらをバックボーンに自由に絵を描いてみたい。
現代美術の人がZENを下敷きに作品を作るのとは少し違ったことが出来るといいです。
どうです?めちゃハードル上げてますよね?
自分でも心配です。
個展は、いかに自分でハードルを設定するかがミソで、面白くなるかならないかもそこにかかってきます。
たとえハードルを越えられず、着地に失敗したとしても、それでいいと思うんです。
始まる前から言い訳?
崩れ落ちて地面に打ちつけられる様子を何べんもスローモーションで見るのもまた一興。
さてここで問題です。
掲載したDMの言わんとすることは何でしょう?
チョコスプレードーナツは何を意味する?
通る道無し?無い道を通る?「通無道」は禅語?
ポクポクチーンと閃いた方はいますでしょうか。
勿体つけることもないので、答えを言いますと
ドーナツは禅で悟りの境地を表す「円相」です。「通無道」は逆から読んで「ドーナツ」。ただのお品書きでございます。
かわいい禅画で有名な仙崖和尚は、円相を描いて、横に「これ食ふて茶飲め」と書きました。
円相と思った?饅頭だよ〜ん、というからかいですね。
今日のブログは、私の緊急事態宣言。
家を飛び出し「風狂」を見よう!というお知らせでした。
会期中の午後は会場にいるつもりです。
お待ちしております。