2025.3.22
ぼくらの好きな画家
このブログも展覧会をやるか、本を出すかの時にしか更新しなくなりました。
今回は展覧会にあわせて本も出るので、更新しないわけにはいきません。
【まずは展覧会のお知らせ】
3月31日〜4月12日外苑前のスペース・ユイで南伸坊さんと「ぼくらの好きな画家」という二人展をやります(日曜休廊なのでご注意を)。
上:南伸坊さんの「本人術」によるマン・レイ。下:私の作品『馬鈴薯を食べるゴッホ』。パレットに油絵具で描いてます。
2010年に原宿にあったリトルモア地下というスペースで「画家の肖像」という個展をやったのですが、伸坊さんに今回の展示のテーマを相談すると、どちらの口からも「画家の肖像を二人で」と意見が一致しました。
読んで字の如く、画家たちの肖像画を描くというテーマです。
音楽家や小説家と違って画家には画家の絵がある。肖像画を描くときに、どうやってその画家の絵や気分を取り込むのかが考えどころ。私や伸坊さんが画家たちと混じり合う様をご覧ください。
【お次に本の紹介です】
前述の2010年の個展を元に、2012年に『画家の肖像』という作品集が出ました。もう品切れ絶版状態になっていたのですが、この度、増補改訂版『Portraits of Painters 画家の肖像』が出ることになりました。40点近い作品を追加し、32P増えた96Pの上製本。ブックデザインは初版に引き続きB-GRAPHIX(赤波江春奈さん+日下潤一さん)にお願いしました。
『Portraits of Painters 画家の肖像』は、版元の888ブックスのサイトで先行予約がはじまっています!
また、全国の書店のみなさま、『Portraits of Painters 画家の肖像』はツバメ出版流通さんでも取り扱っております。amazonでも買えるようになると思います。よろしくお願いします!
画家の肖像シリーズは、ゴッホの『タンギー爺さん』の絵をもじったゴッホの肖像画から描きはじめた。タンギー爺さんはパリの画材屋の店主で、まだ売れない印象派の画家たちの面倒を見てやった奇特な人である。『タンギー爺さん』では背景に浮世絵が描かれている。
描きはじめたものの「これっていわゆるパロディじゃないんだろうか」という思いが頭から離れず、自信を持って進められなかった。いつもは一回の集中力が続く間(長くても五時間)に描き終えるのに、この絵は四、五日かかった。ゴッホ風にゴッホを描いただけで、自分の絵ではないような気がしてしかたなかった。
「自分の絵」だと思いこんでいる絵ってなんだろうか?やっと自分のスタイルができても、そいつを手放した途端、言いたいことの散漫な絵になってしまう。自分は絵についてほんの一部しかわかってないんだ、と心細くなった。そんなことを繰り返してきた。
手慣れた描き方をやめてまったく違う描き方をしても、ちゃんと絵が描けるだろうか。その絵は自分らしい絵になっているだろうか。いや自分の絵なんてない。描けばなんでもそれが自分の絵だ。これは一つの真実。
……そうやって不安になったり、励まされたりしながら描いたのが、この『画家の肖像』だ。画家のタッチや作風を意識しながら、いろんな方法で描いてみる。実験にもなるし、いつもと違う絵が描けるかもしれない。どうすればその人らしい肖像画になるのだろう。
(増補改訂版まえがきより)
ちなみにゴッホの『タンギー爺さん』はこの絵。
なんか気張ったこと書いてますが、基本笑っていただきたいと思っています。陽気も良くなる頃です。バカの季節です。会期中の在廊はSNSなどでお知らせします。みなさまのお越しをお待ちしております。
『おやすみダリ』