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2020.10.20
数値にあらわれない
DHCの「みんな、げんき?」という雑誌のダイエット特集、「燃えよ!! ダイエッター」にブルース・リーに似たような人を描きました。
燃えよ、脂肪!!というわけです。今、「脂肪遊戯」というダジャレを思いつきましたが、それは関係ないですね。
みなさん、ダイエットはしてますか?
老化というのは、毛が薄くなったり、シミができることかと思ってたんですが、太ると老けたなと思いますね。
老ける=太る、です。
私も一時は63キロまで増えた体重を3キロ落として、見た目も3歳若返りました。
3キロ減らすとむくんだようなほっぺたの肉が落ちました。毎日、計測しています。最近は59キロ台をキープオン。
今年のはじめ、健康診断(人間ドック的な)に行った時、偶然同業者のMさん(男性、52歳)に会いました。
Mさんは私みたいに意地汚い酒の飲み方はしないし、生活に荒れたところはありません。そのせいか、意外にも健康診断は10年ぶりだと言ってました。ところがMさん、血圧が思いのほか高かった。イヒヒ。他の数値は後日でないと判明しませんが、どうだったでしょうか。
私も年齢の割には血圧が高い。でも、血圧が高くても自覚症状はありません。内臓や血液の数値が悪くても、自覚症状はなかなか出ない。
そういうわけで、健康の話題になる時、今のとことろ、主に数値を話題にしています。
いきすぎた検診こそ害毒だと主張するお医者さんもいます。薬漬けや不必要な手術を招く。例えば血圧の基準値を下げれば、その分降圧剤が売れるとかね。
ネットのアクセス数やいいねの数も、数値です。ネットでは反応いいのに仕事がない人や、逆にネットで人気はなくても仕事が途切れず来る人もいる。
やはり数値化できるのはごく一部のことだけで、生活全般や人間関係の大部分は数値化できません。
健康管理に漢方的アプローチもあるように、ネットや仕事や人間関係にも漢方的な注意を払ったほうがいいかもしれません。
ネットに漢方的アプローチ?どうやって?
全然わかりません。
なぜなら今週は何も考えがまとまらないままブログを書いているからです。
書くことがないのに、無理にブログを更新しようとしてるので、これ以上話は展開しません。
私にとって毎週のブログ更新は漢方のようなもの、とでもしておきましょうか。
ブログを書くことで、気を養い、流れをよくし、乱れたものが整っている……のかな?
わかりませんが、ゆっくりゆっくり何かが効いてくると思い込むようにしています。
唐突ですが、ブログで紹介するのを忘れていた仕事をひとつ。
発売は6月頃だったかもしれません。田中啓文さんの『臆病同心 もののけ退治』(ポプラ文庫)です。
それではみなさんさようなら。
2020.9.15
夏から秋へ
急に夏から秋になった。季節の変化に気持ちがついていけないのか、すべてのことが手につかない。
そんなわけで今週のブログはサボるつもりでいたのだが、死力の限りをふり絞って、パソコンにしがみついているところだ。
毎年、夏になると麦茶ってこんなに美味しいのか、そうめんって毎日でも食べたいな、と思う。結局、麦茶とそうめんを愛するのは夏だけなのである。
あんなに夏にいじめられると、永遠に夏が続くような気がしていた。長袖のシャツなど捨ててしまってもいいと思った。この後、冬が来るなど信じられない。
夏の終わり、小さな庭に見知らぬ芽が出ていた。成長が著しく早い。俺は雑草なんかじゃないっすよ、という雰囲気を持っている。なんだろう?鳥がひまわりの種でも運んできたか。
背丈の低いまわりの植物を覆うほどに豊かな葉を次々とつけていった。
しばらくすると細かくて白い花を咲かせた。あきらかに雑草ぽかった。
その白い花を目当てにどこからか小蝿が飛んで来る。
昨日、スーパーに行く途中、道端にウチのとおんなじ植物が生えているのを見つけた。やはり雑草じゃん。確定。
早速家に戻るや、引っこ抜いた。雑草の陰になっていたレモンの苗木に派手な色のイモムシが何匹もいた。悪いけど、こっちもお陀仏してもらうよ。
虫も殺したくない気分なのに。
季節の変わり目、どうぞ皆様もお元気で。
2020.2.4
雲古譚
2月1日、峰岸達さんが主催する「MJイラストレーションズ」の塾をあげての展覧会に行った。
場所は六本木。
この塾の展覧会のオープニングは例年、大変混み合っている。
お騒がせ中の新型肺炎コロナウィルスはその中の誰かにすでに潜伏しているかもしれない。家を出る時にマスクを忘れたので、六本木駅周辺のコンビニやドラッグストアに寄るも3軒空振り、4軒目のコンビニでようやく残り一個のマスクを見つけた。2個入りで400円もした。これで一安心である。
心配しすぎ?
事実、友達には「へー、なに?コロナウィルスが怖いの?年寄りでもないのに……大丈夫だって」と完全にバカにされていた。
ご用心、ご用心。
コロナウィルスはなくとも、これだけ人がいれば、インフルエンザをうつされる可能性も大いにあるのだ。
会がおひらきになって、友達4人でご飯でも食べて帰ろうということになった。
「あ、犬のウンコ!」
という友達の声が僕の鼓膜を震わせた瞬間、右足は思いっきり犬のウンコを踏んでいた。
白いスニーカーの靴底からヌルッとした感触が伝わった。生キャラメルのような色のウンコがぶにゅっとなっていた。
途端、友達たちが「キャーッ!」と叫んで側から離れて行った。
友達を追いかけながら、必死にアスファルトの路面に靴を擦り付ける。僕の後には踏まれたウンコとそこから続くウンコのスタンプが出来ていたはずだ。
ちょっと歩くと、ビルの前が砂利のところがあった。ラッキー。
鳥が砂浴びをするように、スニーカーに砂利洗濯させる。
青い靴底にはほんの少し茶色いところがあるものの、ほとんどはここで落とせたようだ。
お目当ての晩ご飯を食べる店に着くと、ちょうど入り口に足拭きマットがあった。
やはり俺はついてるぞ。
マットの上でツイストを踊るように足をクネクネ回した。これで仕上げだ。
その様子を見て友達は「最悪……」みたいな顔をしていたが、足拭きマットは本来こういうためにあるのだ。しかし、満席だったので、その店には入らなかった。
それで思い出したが、中学生の時に遊んでいた「お城公園」でとても不思議なことがあった。
お城公園は築城の名手、藤堂高虎の造った津城の跡地だ。天守閣をはじめとする建物は現存しないが、石垣はまだある。その石垣に登って遊んでいた。
自分の背丈より高いところまで登って、さらに上がろうと、石垣の石に手をかけた時、妙な感触が……。
指先を見ると黄土色のものがついている。なんだろうと思って顔を近づけると、ものすごく臭い!
「なんで…⁉︎」
鳥のものではない。動物の、それも雑食性の、同族の糞に近い匂いだ。が、このへんに猿はいない。犯人がいるとしても、この石垣は普段人が登るようなところではないのだ。
今週はたいへん汚い話でお目汚しをしてしまった。生まれつき胃腸の弱かった市川雷蔵(直腸癌で37歳で亡くなっている)はロケバスの中から、道端の犬のウンコを見て
「うらやましいな〜、わしもいっぺんあんなんしてみたいわ」
と言ったそうだ。六本木のど真ん中に落ちていたのもなかなかのものだった。
急ぎの仕事が入っているので、今日はこのへんで。
2020.1.14
銭湯めぐり「黄富士薔薇湯の巻」
昨日の晩、給湯器が故障した。キッチンも洗面所もお風呂もすべてダメになった。シャワーも出なけりゃ、湯槽にお湯もはれない。給湯器の調子は年末から悪かった。
さてこまったこまったこまどり姉妹……真冬である。
晩御飯は天ぷらだった。キッチンには油まみれの洗い物の山。ヤカンでお湯を沸かして、水とチャンポンしながらなんとか洗い物を済ませる。
一息ついた後、近所の銭湯「月見湯温泉」に行こう。「月見湯温泉」は歩いて15分近くかかるが、ウチから一番近い銭湯で、名前の通り温泉を引いている。たま〜に行くが結構気に入ってる。
この前行ったのは夏だった。
凶悪な刺青を入れた若いチンピラとごく普通のカタギの若者が、湯槽に腰掛けたまま、ずーっと話し込んでいた。話が止まらず、笑顔が絶えない。なぜ話が合うんだ。仕事の話をしているようでもある。凶悪な刺青男も今はカタギなのかもしれない。
水風呂からザブリと出てきたオッサンは、身長が190センチ以上あった。そのまま洗い場スペースに移動すると、その場でおもむろに腕立てをはじめた。
めっちゃジャマ。
高温度の浴槽にはタコ坊主のようなオヤジが手で耳栓をして、目と鼻と口だけ水面に出して熱湯の中に沈んでいた(そんな入り方あんのんかい)。
そんな雑多な銭湯の情景を、風呂と水風呂に交互に入りながらぼくは眺めていた。
水風呂といっても25度くらいあるので、最初こそ冷やっとするものの、慣れれば火照った体の熱を中和してくれるようで、なんというのか温度というものを感じないような、体内と水温が混ざり合って一体となるような心地がするのである。風呂と水風呂を交互に入るとどんだけでも入れる。40分くらい経ったので風呂から上がった。
帰ろうとすると雨が降っていた。20分くらい待って雨が止んだ。
その時気がついたのだが、若いチンピラたちや、大男や、タコ坊主はまだ風呂から出て来ていない。よき銭湯は確かに極楽である。
……そんな夏の「月見湯温泉」を思い出すと、今晩は冬の「月見湯温泉」を楽しむのも悪くない。念のため定休日をネットで調べておこうか。
〈1月2日から1月31日まで、ボイラー等の修改善のためお休みさせていただきます〉
!!!!
またしてもピンチ。
仕方なく一駅先の明大前の「M湯」に行くことにする。「M湯」の前はよく通るが、一度も使ったことはなかった。
ロッカーでセーターを脱ぐと、ムッと揚げ油の匂いがした。不思議と着ている間は感じなかったのに。
風呂場に入ってみると、古いわりには綺麗にしてある。浴槽は二つだけ。ごくオーソドックスな昔ながらの銭湯といった感じ。
お湯がしそジュースみたいなピンク色だった。壁には富士山が描かれていたが、お湯以上に驚いたのは富士山の雪の部分がイエローだった。ピンクのお湯とイエローな富士山。絵には「令和元年10月25日」とサインがしてあった。新作か。
「M湯」のシャワーがとてもぬるい。ジャンル的には「冷たいお湯」になると思う。ここのボイラーも要修理かもしれぬ。湯槽のお湯はちゃんと熱いが、水風呂がないので、交互に入るやつができない。のぼせるのでそう長くはいられず、25分で出た。
帰りに番台のおばあさんに
「お風呂のお湯が赤いのはなんでですか」
と聞いた。聞き取れなかったのか、眉間にシワを寄せて「はぁっ?」と返された。ぼくの滑舌が悪く声がこもっているせいかもしれない。気を取り直してもう一度聞いた。滑舌に注意しながら
「お風呂の、お湯が赤いのは、なんでですか」
おばあさんは厳しい表情を崩さず
「ローズです、ローズ。入り口に書いてますから」
と答えた。
お金を払うときも、ボディソープを買うときも(月見湯にはシャンプー、リンス、ボディソープが備え付けだったがM湯はなかったので、服を着なおして買った)おばあさんの愛想はとても良かったので、あくまで自分の聞き方がいけなかったのだと思う。でも、あの顔が忘れられない。
それと、セーターを着た時に鼻についた油の匂いがまだとれない。
おばあさんの厳しい顔と油の匂いが記憶の中で結びつこうとしている。